随談第325回 ブログご無沙汰の弁

随分久しいこと間が空いてしまった。三月に3週間の入院騒ぎで丸ひと月休んで以来の長期のブランクである。いくつか理由の根本のものは先月の半ば頃から血行不良のために左手の指が利かない状態になったことだが、むしろその前段階として、小ひと月ばかり、背中だの左腕だのに劇痛が走って、そうなるとしばらくウンウン唸っているしか如何ともし難い。ときには夜中、そのために目が覚めることもあって、こんどは寝不足につながる・・・といったようなことがしばらく続いて、その間、机に向かう仕事がろくすっぽ出来なかった。といっても、締切のある仕事はやらないわけに行かないが、下調べだの資料の準備だのといった作業が、ざっと3週間から小ひと月、滞った。そのツケが塵も積もって、切り崩すのに思わぬ手間がかかった・・・というのが真相である。

幸い、命にかかわるようなことでも、この後不自由な身体になるというわけでもなく、つまり病気ではないのだが、話をしてみると、実はわたしも経験があります、という人が身近な範囲だけでも結構いるのだということがわかった。早い人はひと月か二月でいつの間にか直ってしまったと言う。もっとも整体師に言わせると、それは本当には直ったわけではなく、人間の体はおのずからバランスが取れるようになるために、現象としてはなくなるのだそうだ。幸い、肩甲骨の辺りに鈍い痺れのような痛みが残っているが、劇痛は去ったので、仕事にならないという状態は抜け出すことが出来た。

後は指が自由になるのを待つだけだが、それまではいわゆるヨイヨイの状態である。何ごとにも発見ということはあるもので、普段何気なくやっている仕草で、わずか左手の指が自由にならないだけでどうにもならないことが、日常茶飯、至るところにあったことに気がつく。拍手ができない。(舞台の上から、役者諸氏はどう思って見ているだろう?)チケットだの何だの、小さいものや薄いものを受取ったり新聞をめくったりするのもちょいと厄介だし、いちばん手こずるのは、右手首のシャツのボタンをはめることと、化粧水を左手のひらで受けること。しかしどちらも、ほぼ毎日欠かせない作業である。丹下左膳は、刀を抜くのにあの方式を思いつくまで、かなりの試行錯誤を要したに違いない。

たぶん、直接の引き金はパソコンのキー打ちだろうが、近頃日常至るところに増えた、軽くワンタッチ触れるという動作が曲者なのだ。湯沸かし器、ポット、トースターからエレベーター、券売機etc.etc.至るところに待ち構えている。整体師の話だと、ひと昔前、女性の代表的な職業だった電話交換手の職業病だったという。肩にも肘にも力を入れないで指先だけで、チョイと押したり刺したりする。あれが曲者なのだ。思うに、現代というワンタッチ時代、このワンタッチ病が社会問題となる日が、遠からず来るに違いない。医師から携帯をピコピコやるのを止められてノイローゼになる中高生、などというのも出る筈だ。

と、いうわけで、近々再開します。(と書いたら、今度はインターネットの不具合で、二日間、通信が停まってしまった。ようやく本日再開という次第。相変わらずご愛読ください。)

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