随談第35回 日記抄(その2)

種々の原稿締め切りやスケジュールが錯綜してだいぶ間が空いてしまった。

少々PRめくのでこういう場に書いてしまっていいかなという気もしないでもないが、誰にとっても悪いことではない筈だから、書くことにしよう。

先日、雑誌『演劇界』の企画で座談会があって出席した。「演劇の新展開と劇評の現在(いま)」というテーマで、出席は串田和美、松岡和子、長谷部浩、児玉竜一、上村以和於、司会・伊達なつめという顔ぶれである。この顔ぶれで想像がつくであろうように、この数年、歌舞伎に俄かに目に付くようになった「異種乗り入れ現象」を反映している。とりわけ、串田氏が、歌舞伎座第三部で出す『法界坊』の稽古中、時間をやりくりして出席してくれたことで、話題や問題提起が一層ヴィヴィッドなものになった。

編集サイドとしてのコンセプトの問題もあるし、もちろん時間の制限もある。充分語りつくせたとも思わないが、終了後、出席者全員で会場だったホテルの地下のバーでもうワンクールあったように、ノリとしてはまず悪くなかった。『演劇界』近年での好企画である。

出来れば、よき程合いを見てもう一度やれれば、初顔合わせゆえの探りあいを乗り越えた、もう一段ハイレベルの座談会ができるであろう。

こういう場合、とかく話をつまらなくするのは、出席者がそれぞれの立場代表みたいな気になって、国会の族議員ではないが、蛸壺の中からの発言に終始しがちなことだが、その手の低レベルの発言がひとつもなかった(もともとそんなレベルの出席者ではないから当然とはいえ)のは、この座談会を意義あるものにしたと思う。

内容は九月末に発売の十一月号を見ていただくとして、若干のPRもふくめてちょっとお知らせをした次第。

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