随談第432回 旧石器時代人のツイット

随分長いこと更新を怠ってしまった。ざっと3週間、放置状態だったことになる。もっとも、たまたま花形忠臣蔵についての話題だったためか、その間、アクセス数があまり減らなかったのは、見捨てずに関心を示してくださっていた方がそれだけあったということであろうから、有難いことと思わなければならない。

ご無沙汰の理由は、要するに、しばらく前からガタがきていたのをだましだまし使っていたパソコンが、遂にダウンしてしまい、新機種に買い替えたり、それに伴って何かとドタバタしていたためで、これに類することは、やれテレビが地デジになるだの、FAX機を買い替えるだのというたびにくりかえしてきたことだった。そのたびに、何やらワケのわかないことが増え、機器に八つ当たりをする回数が増えるわけだ。気がついてみたら時代が新石器時代に切り替わっていて、まごついたり腹を立てたり、昔の方がよかったと嘆いたりしている旧石器時代人のようなものだ。

そもそも、新石器というのは耐用年数が旧石器に比べやけに短い。やむなく、数年前すぐ近所に開店したヤマダ電機という新石器を扱う店で新機種を購入したのだが、親切(そうな)店員が、いま人気の機種はこれですが、私どもが自信をもってお勧めできるのはこちらです。五年から六年は保証できます、などと言う。エッと、旧石器時代人は驚く。五年か六年しかもたないの? せめて十年と言ってくれよ。そう気軽に買える値段ではないのだから、とつい考えてしまうのは、原稿用紙に2Bの鉛筆で原稿を書いていた頃とつい比較してしまうからだろう。(つい七年前まではそうだったのだ。いまだって、実は新聞評だけは鉛筆で書いている。一行13字で56行という字数を考えながらひと流れの緊張感の中で一気に書き上げるには、原稿用紙はいまだに捨て切れない。)

前に使っていた新石器、いやノートパソコンにガタが来たのがわかったのは、去年の12月だった。片方の蝶番がこわれかかったのだが、思えばこれは、以前、パソコンに腹を立てては、バタンと乱暴に開け閉めしたりした報いが今になって現われたのに違いない。例のヤマダ電機に持ち込んで修理を頼むと、3週間ぐらいはかかるだろうという。要するに新しく買い替えた方がお得ですよ、ということなのだ。まだ使えるのだからと、こういう時つい考えてしまうのが旧人種の性癖というもので、ガタが来た蝶番にガムテープを貼って、それから五か月余りだましだまし使ってきたのだった。その間、老体が段々へばっていくのが感じられた。愛機というほどの愛着があったわけではないが、ある種の感慨は湧いてくる。それが、遂にご臨終となった。

いわば、先妻を見送って再婚したようなものだが、前の薄ぼんやりした先妻に比べて、今度来た新しい女房は何かと理屈が多い。おーい、お茶といえば、ともかくもクリックひとつで駄茶を淹れてきた先妻に比べると、やれ宇治にしますか狭山茶にしますかだの、湯加減は何度にするかだの、分量は何ccにするかだの、いちいち小うるさい。ゆっくり美味いお茶を飲みたい時ももちろんあるが、とりあえず駄茶でも何でもいいというときも少なくない。そのつど小賢しい質問をされるのはわずらわしい・・・などということを新石器、いやコンピューターに向かって言っても始まらないと知りつつ、旧石器時代人としてはつい苛立たずにはいられないことになる。

メールひとつ打つ、原稿をメール添付で送る・・・といった、七年かかってようやく慣れ馴染んでいた作業が、機種がNECから東芝に変わり、ウィンドウズなるものがXPからセブンに変わったというだけで、すべからく、一からやり方が違う。私は自動車の運転というものをやらないが、日産をトヨタに変えたりすると、車一台動かすのにこんなにも違うのだろうか。(そうだとすれば随分危険な話である。)一週間かかって何とか納まってきたものの、最後まで途惑ったのが、このブログの更新についての手続きだった。実はこれが試運転。上手くいったらおなぐさみ、というブログ再開のPRでもある。

        ***

(お願い)この騒ぎのなかでもうひとつ困ったのは、前の機種に入っていたアドレス帳が回復できないことで、そのために半数余りの方々のアドレスが分からなくなってしまった。そこでお願いは、これまで私とメールのやり取りがあった方でもしこの文章を目にした方があれば、「読んだぞ」とメールを送っていただけないだろうか。

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