随談第59回 野球・相撲噺(その3)

児雷也三すくみ見立てはこのぐらいにしておこうか。しかし児雷也ならぬミキタニ氏は、どうせ金にものを言わせるのなら、TBSの株を買う万分の一の金を、有力選手獲得のために回すぐらいのことはすべきではなかろうか。いかに高級といったって、株を買い占めるのに比べたらなにほどの額でもあるまい。

それにしても巨人の江藤など、いつまでも巨人にしがみついているのには何か事情でもあるのだろうか。節目の記録がかかっていたにも関わらず今年はついに本塁打ゼロだった。理由は、代打要因にしか使ってもらえなかったから、それにつきるだろう。(いちど大飛球を放ったらドームの天井にぶつかって外野フライになってしまったのがあったのは知っているが。)同じ広島の主力打者でも、阪神に行った金本の活躍ぶりと比べたら、おなじFAをつかって移籍するのでも、移籍先の選択にどれだけ頭を働かせるかが天地の違いを呼ぶ何よりの例ではあるまいか。清原はやっと多少目が覚めたらしいが、江藤などたとえば楽天に行っていたらホームラン記録などとっくに更新していただろうに。

そもそも昔から、他チームの有力選手が巨人に移籍してうまくいった例といったら誰がいるだろう? 別所や青田の昔は別としても、巨人に移ってからも「結構やった」者はいても、移ってから「よくなった」例などあるだろうか。むしろ「だんだんぱっとしなくなる」というケースが一番多いのではあるまいか。水原監督時代の南村とか平井とか楠とか樋笠などがうまくいった例として思い浮かぶが、こんな大昔の例を持ち出すのは、現代の政界の批判をするのに大化の改新の話をもちだすようなものだろうし、彼らだって「結構やった」の部類に入れた方がいい程度かもしれない。

しかし余計なお節介はこのくらいにしよう。それよりも、アジア選手権でロッテが優勝したニュースの方が、プロ野球百年の計のためにはずっと意味深いニュースだ。なによりいいのは、ほとんど手抜きをせずにやって堂々と勝ったことである。ちょっとメンバーを落とせば中国だって侮れないことが判ったのもいい経験をしたと思う。トリプルプレイというなかば偶然的な要素の多い事態がなかったら、もっと苦戦をして、あわやという事態にだってなっていなかったとは限るまい。(なにしろ中国の投手相手に四安打しか打てなかったのだ。)

いままでのオリンピックなどを見ていても、メジャーリーグにはあれほどあこがれるくせに、それ以外の外国チームというと、どうせ勝って当り前、といったムードに、当の選手・コーチなどの関係者ばかりか、一般ファンとりわけ通であればあるほど感染してしまうのが通例だが、あれほど日本人の島国根性のあらわれは無いと思う。そもそもオリンピックで日本は金メダルを取ったことって何回あったっけ?

いわれのない劣等感といわれのない優越感のブレンド。いわれのない誇大妄想に酔って大陸に侵攻しアメリカと戦争を始めた昔の軍部と、精神構造がどれだけ違っているだろうか。アジアリーグや世界選手権を確立して、一生懸命戦って堂々と勝つようにならない限り、日本の野球のジリ貧状態は続くだろう。

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